人口が13億人を超える中国、正式名称は中華人民共和国です。長いこと一人っ子政策でしたが、ここ最近になって一人っ子政策は解禁となりました。今後は爆発的な人口増加が想定される中国ですが、良い話や悪い噂など今日ではいろいろと話題になることも多くなってきました。
経済規模が世界第二位となり軍事活動も活発な中国ですが、どのような視点から見れば本当の中国を理解することが出来るのでしょうか?今回は中国という国を理解する上で必須の視点について記述したいと思います。どのような分野においてもこのキーワードを常に念頭に置いておけば、おのずと中国という国の本質が見えてきます。
キーワードはたったのこれだけ 「中国共産党」
となっている点です。聞こえは良いですが、要は中国政治の世界では中国共産党が頂点ですよと暗示しているのです。政治分野では共産党が頂点なのは分かりますが、その他の分野にも影響しているのが中国ならではなのです。
法律の上に君臨する中国共産党
先進諸国でも発展途上国でも基本的に三権分立制度です。司法(裁判所)・行政(地方自治体や国家)・立法(国会)はそれぞれが独立しているのが政府であり、国家の基礎となっています。大統領制であるアメリカでは大統領の権力は絶大ですが、それでも議会の承認を得ないと実行できないことも多々あります。また、日本みたいな内閣制の国家でも内閣総理大臣だからといって判決を覆すようなことは出来ません。つまり日本もアメリカも法治国家ということですね。
しかし、中国は違います。国民の上に、憲法や法律があり、更にその上の頂点に君臨するのが共産党です。つまり法律で定めたことでも共産党のさじ加減で黒が白になるということです。具体的な例を挙げて見ますね。
例えば大気汚染物質を垂れ流している工場があっても、それが共産党の意向に沿う形の工場であれば見て見ぬふりをするのです。公害に関する法律があってもです。他の例ですと交通違反などで有罪判決になっても共産党幹部のお許しがでれば、有罪が取り消しになるのです。もう滅茶苦茶ですね。
当然国民の不満は高まります
共産党幹部が経営する会社を優遇し、特定の会社や個人の為に利益誘導をする。そのようなことを平気で行える国家ですので、下々の民は不平不満が溜まります。時としてそれらがデモや暴動といった形で表面化するのですが、それらは軍隊を動員してでも鎮圧をします。天安門事件などが有名ですね。
暴力的な部分以外でも抑圧はあります。インターネットの閲覧などを制限しているのは有名な話です。数十万人以上の人力でサイトを一つ一つチェックして削除したりしているのも国民が集団で政府に対して反乱を起こすのを未然に防ぐためです。我々日本人や欧米の先進諸国の感覚ではとっくに政府が転覆していてもおかしくないのが中国という国家の現状なのです。
「中国共産党の存続」が最重要課題
現在の中国という国家は、本来であれば革命などによっていつ政権が転覆してもおかしくない状況なのです。つまり中国共産党を維持することこそが、中国政府の最大の目的であり使命なのです。国民の間に高まる不満のガス抜きをしながら政権維持を考えているのが中国政府であり、遅かれ早かれ中国共産党の一党独裁は終わりを告げるでしょう。
冒頭にお伝えしたように一人っ子政策を解除したのも国民の中に高まった不満のガス抜きの一つなのです。テレビや新聞・雑誌等で中国の経済や軍事行動などが話題になることも多くなってきましたが、それらの出来事の裏には
ということを常に念頭に置いておけば、ニュースなどで見たり聞いたりしたことが理解しやすくなると思います。なぜ中国は九段線という中国独自の領海の主張を南シナ海で行っているのか?なぜ中国は北朝鮮を手助けするのか?なぜ中国は軍事力増強に勤しむのか?
そこには対外的な目的とは別に国内において中国共産党を維持するのに都合がよいからそのような行動をとるのであり、対外的な外交面でマイナスとなる行動でも、中国国内において中国共産党が延命できるのに都合が良いのであれば中国という国はそのような行動をするのです。
時間が必要です。まずは中国国内において、先進諸国のような一般的な選挙制度を導入することから始めないといけないと思います。それが出来た時には、中国は世界中の誰からも評価される国家として認められると思います。
コメント